塩水健康法の考え方

人体における水の役割

人体は約70兆個もの細胞が集まって形成されており、体重における水分の比率は約60%~70%です。細胞を形成し、また、細胞同士をくっつける働きをしているのが水であり、水は人体にとって最も重要な物質です。

体内の水環境を整える!ことこそ、塩水健康法が目指しているところです。

私たちは水以外の様々な固形物(食品)を体内にいれて栄養を吸収していますが、固形物を消化して洗い流すための役割を水は担っています。水が足りていないと固形物は体内に滞留してしまい、あるものは脂肪に、またあるものは毒素へと変化してしまいます。

過食と水不足が病気を作ると言ってもよいかもしれません。

1980年代には欧米、また日本で飲水健康法が一大ブームとなりました。「水を飲めば痩せられる。健康になれる。」というフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか?

その火付け役と言われているのが、イラン人医師、バトマンゲリジ氏の著作「病気を治す飲水法」です。この本は欧米を中心にベストセラーとなり、日本でも翻訳出版がされています。

塩水健康の原点となっている「なぜ塩と水だけですべての病が癒え、若返るのか?」の著者・ユージェル・アイデミール氏もこの書籍を読んで塩と水に着目をしました。

この書籍の中でバトマンゲリジ氏は、飲水する水にはわずかに天然塩をいれることと書いているのですが、この部分は些細な事として扱われたのか、一般的に水に天然塩を入れて飲む方法は広がりませんでした。

ここに大きな間違いがあり、水だけを大量に飲むと、体内の塩分濃度のバランスが崩れてしまい、体の中のミネラルを外に出すだけで体を冷やしてします。水をたくさん飲めば良いという認識は誤りで、適度な塩水を適量摂取し、これを常に入れ替えていく循環こそが、体内の水環境を清浄に保つ方法なのです。

私たちはこれを「適塩・適水(てきえん・てきすい)」と呼んでいます。

塩と水の関係性

塩が作り出す浸透圧が細胞を維持し、また、塩があることで水は細胞内に浸透することができます。

「塩と水」はふたつでひとつ、一心同体と考えてよいと思っています。
最初に、「健康のために塩水を飲む。」と聞くと多くの人が「塩辛くていやだな、血圧が上がるんじゃない?」という拒否反応をされます。私もその一人だったのでその気持ちはよくわかります。

塩水健康法で用いる塩水は「塩辛い水」ではありません。

塩水の塩分濃度の目安は約0.1%~0.3%程度で、これは1㍑の水に対して1グラムから3グラムの塩を溶かして飲む方法です。

まず、1㍑に1グラムの塩を溶かした約0.1%の塩水はほとんど、塩気を感じません。ちょっと真水がまろやかになったかなという程度の塩味になります。0.2%,0.3%でも体内に塩分が足りていない状態だとまろやかに甘味を感じるような塩水であり、飲みにくいものではありません。逆に真水よりもスッと体の中になじんでいくような感覚になるお水です。

塩水健康法は簡単

この塩水を毎日欠かさずに飲むというのが塩水健康法であり、簡単すぎて拍子抜けされてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、これを毎日継続するのは簡単がゆえに難しかったりします。

塩水健康をはじめると、消化がよくなったり、お肌の調子が良くなるということはよくあるのですが、そこで気を良くしていつの間にか、塩水補水をやめてしまうという方は結構いらっしゃいます。そういう方はまた、不調になると思いだしたかのように再開されますが、大事なのは「毎日、コップ一杯でもよいので、継続する」ということです。

塩水健康が目指すところは、体内の水環境の正常化と清浄化であり、それに塩水は欠かせません。水と塩以外の薬品や食品で私たちの体内を清浄化することはできないのです。

塩水健康法は、あくまでも日常習慣にのっとった健康法であり、特定症状を治癒する特効薬ではありません。塩水で体内環境を清浄化して、健康の土台をつくることを目的としています。

このため、特定症状にこの健康法が効く、あるいは治る、ということをお伝えすることはいたしません。ただし、体の中に正しい形で塩水がなければ、根本的に健康になるということはできないということも、また確かなことです。



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