孤育てにしない、地域での育て愛

夏祭り 良い塩梅な日々

家族崩壊の危機がありました

うちの子供たちは年子の兄弟で、かみさんが二人をたて続けに産んでくれたという時、自分の仕事は最悪で、幸せなはずなのに、大変すぎて幸せを感じられない時代がありました。
当時は会社員として働いており、朝早く夜も遅い不規則な長時間労働で、通勤も都内まで1時間半かかり、徹夜で会社に泊まることもよくありました。当然、家に帰ればクタクタで家事の手伝いもしないダメ夫でした。

かみさんは、若手の版画家でしたが、結婚を機に制作が思うようにできないことにストレスもためていました。そのうえで、子供が二人もできたのに、夫はなかなか家にいない。その大変さを理解してくれない、3重苦くらいの中にいたのだと、今では、想像できるのですが、当時は妻の苦労がまったくわかりませんでした。仕事ばかりに気を取られて、妻への労りもなく、子育てを妻に丸投げしていたのです。

家族を救ってくれたおばちゃん・おじちゃん達

夫婦のいさかいも当然増えました。妻は自分のつらさをわかってくれない夫に、夫(自分)は自分の仕事のつらさを理解してくれない(と思ってしまった)妻に苛立ちました。

お互いにもうダメかもしれないと思った事が何度もあります。それを乗り越えられたのは、ただ、妻が、母親としての心を折ることはなかったという一点につきると思っていますが、もうひとつ助けとなったのが、近所のおばちゃん・おじちゃん達の存在でした。当時住んでいた団地の一角に、子育て支援をする一時預かり所が、地元の有志達によって立ち上げられました。妻はそこに顔をだすようになり、子供たちをみてもらい、愚痴を聞いてもらい、悩みを相談することで、壊れそうだった子育てのピンチをなんとか切り抜けました。あの場所と妻の頑張りがなければ、今ごろうちの家族はどうなっていたのだろうと、思うことがあります。本当に家族崩壊のピンチを救ってくれた存在だったのです。

熱き心をもつモギチャン

その後、私は会社を退職して源気商會を起業し、現在は4名のスタッフに支えられていますが、そのうち3名は子育て中の母たちです。弊社の仕事は基本的には通勤の必要がなく、子育てと仕事が両立できる環境なのです。

スタッフの一人から「ひとり親世帯を支援するボランティア団体」を立ち上げたい、と相談を受けたのが2年前でした。そこからあれよ、あれよという間に、組織を立ち上げ、活動は本格化していきました。そのスタッフとは、みんなから親しみをこめて「モギチャン」と呼ばれている「フードパントリーえんむすび」代表の毛木宏美さんです。モギチャンは私からみれば「熱き心」をもつ正義の人で、たまに熱くなりすぎるのも人間らしく、私の大好きな友人の一人でもあり、源気商會の大事なスタッフです。モギチャンがたちあげた「フードパントリーえんむすび」では、月1回のフードパントリー(食品支援)を開催していて、私もボランティアとして活動をお手伝いしています。

フードパントリーえんむすび代表 毛木宏美さん

フードパントリーえんむすびの夏祭り

8月は、通常のフードパントリーと、子供たち向けの夏休みイベントをやろう!ということになり、昨日がその開催日でした。
えんむすびの夏祭りと称して、ボラメンバーが、スーパーボールすくい、輪投げ、カン倒し、等のゲームを準備し、子供たちに遊びのスタンプラリーをやってもらって、最後にお菓子とアイスを配るという趣向でした。昨日は44人の子供たちと11名の親御さんが会場に足を運んでくれて、夏の半日を楽しみました。

私も子供の将棋の相手や、輪投げゲームの担当をしたのですが、スタスタと近づいて私の膝にちょこんと座る男の子が一人いて、その重さはなつかしい息子たちの幼少期と重なりました。子供たちの笑顔や存在自体に私自身も癒され元気をいただいているのです。

印象的だったのは、休憩スペースでくつろぐお母さんたちの表情でした。いったん、肩の荷をおろしてホッとされている様子が、色濃く見受けられ、それは、毎日の大変さの表れのようでもありました。

ひとり親にとって、今の夏休みは過酷だと思います。冷房は常時つけなくてはならない、給食はない、家だけではストレスがたまる一方で、どこかに子供を連れて行ってあげたい。しかし、時間的にも精神的にも余裕はない。それを相談する相手もいない「孤育て」になれば、追い詰められるしかないと、想像いたします。

モギチャンが提供しているのは食品だけではなく、「ここに味方はいるよ」というメッセージなのだと思っています。

長い夏休みの一コマだったかもしれませんが、親子の心の風通しが少し良くなり、ほぐれるような時間でした。それは一方通行ではなく、ボランティアをする側もされる側も両方に心のうるおいを与えてくれました。このご近所同士の育てあいはきっと、この先に「育て愛」という実が結ぶと思います。微力ですが、私もそのお手伝いをやっていきます。

昨日は、当社の御取引先であり、ボランティア活動に継続的な寄付をいただいている整体院の先生にも見学に来ていただきました。

ご支援をいただいている関係者の皆様にも深く御礼を申し上げます!!

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